治療の流れ
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Step 01
問診・診察
現在の体の状態と過去治療歴等を確認させていただきます。
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Step 02
スクリーニング検査
妊娠が成立しない原因を調べるための検査です。この検査結果をもとに治療方針を決定しますが検査を行っても原因が判明しない場合もあります。
- ホルモン検査
- 感染症検査
- 子宮鏡検査
- 卵管通水検査
- 精子不動化抗体検査
- 精液検査
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Step 03
治療方針の決定
問診、診察、スクリーニング検査の結果から治療方針をたてます。治療には一般不妊治療と高度生殖補助医療があります。
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Step 04
治療開始
- 一般不妊治療(タイミング療法、人工授精)
- 高度生殖補助医療(標準体外受精、顕微授精)
不妊症検査について
不妊症検査(スクリーニング検査)とは
妊娠が成立しない原因を調べるための検査です。この検査結果をもとに治療方針を決定しますが検査を行っても原因が判明しない場合もあります。
検査の種類
ホルモン検査
排卵、妊娠継続に必要なホルモン等が適切に分泌されているかを調べる検査です。
子宮鏡検査
胃カメラのようなもので子宮を覗き、子宮の形状やポリープや筋腫の有無を確認し子宮内の状態を観察する検査です。ポリープ除去手術や不妊症の治療方針を決めるために行われます。
子宮鏡検査・卵管通水検査
子宮の入り口からカメラを挿入する検査です。痛みを少なくするために事前に痛み止めを処方しています。子宮内に炎症やポリープ、癒着などがないかを検査します。また、同時に左右の卵管の疎通性を確認しています。当院ではより痛みが少ない卵管通水検査を推奨しています。
精子不動化抗体検査
精子不動化抗体が陽性の場合、一般不妊治療(タイミング法、人工授精)では効果が不十分である可能性が示唆されます。抗体価に応じて適切な治療を推奨いたします。
精液検査
精液量、精子濃度、運動率、精子の形態等を調べる検査です。精液の性状は日によって変化するため、数回検査することが望ましいと考えられます。
- 費用
- 料金表(不妊治療)からご確認ください。
スクリーニング検査を行う時期
検査によっては実施時期が決まっているものがあります。また、検査によっては複数回実施することもあります。
治療方針の決定
- ホルモン検査に基づいた治療方針について
- 子宮鏡検査に基づいた治療方針について
- 子宮卵管造影検査・卵管通水検査に基づいた治療方針について
- フューナーテストに基づいた治療方針について
- 精液検査に基づいた治療方針について
ホルモン検査
ホルモン検査とは
採卵、妊娠継続に必要なホルモン等が適切に分泌されているかを調べる検査です。検査の手順知してはまず採血を行います。採血後、機械を用いて各ホルモンの濃度を測定し、一部のホルモンを除き60分程度で結果が分かります(※採血を行う際にごく稀ですが合併症が起こることがあります)。
主な合併症
皮下血腫
穿刺時や止血不十分な場合に起こります。
アレルギー反応
アルコール消毒等によりかゆみや発疹等が出現する可能性があります。
神経損傷
穿刺時に手指のしびれや強い痛みがあり、しばらく継続します。
血管迷走神経反射
緊張や不安、痛みで起こるとされ、めまい(たちくらみ)、意識消失等を起こします。
ホルモン検査を行う時期と測定項目
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Step 01
月経開始2~4日目にFSH、LH、PRLを測定
この検査によって排卵障害、卵胞発育に異常があるかを推定します。
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Step 02
高温期中期にE2、P4を測定
この検査によって黄体機能が正常であるかを推定します。黄体機能に異常があると着床環境が不良であったり、妊娠がうまく継続しなかったりします。
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Step 03
月経周期とは関係なくAMH、TSH、T4を測定
この検査によって、予備卵巣能や甲状腺機能の正常性を確認します。
FSH(卵巣刺激ホルモン)
卵胞の発育を促進します。
LH(黄体形成ホルモン)
卵胞成熟と排卵を促進し、排卵後の黄体を刺激します。
PRL(乳腺刺激ホルモン)
乳腺の発達と乳汁分泌に関与します。高プロラクチン血症は排卵障害や流産の原因となる可能性があります。
E2(卵胞ホルモン)
卵子の成熟の指標となります。
P4(黄体ホルモン)
黄体から分泌され子宮に作用して着床環境を整えます。高温期の維持、妊娠継続に必要です。
AMH(抗ミューラー菅ホルモン)
卵巣の予備能を予測することができます。
TSH (甲状腺刺激ホルモン)
脳下垂体から分泌されるホルモン。
T4(サイロキシン)
甲状腺から分泌されるホルモン。
- 甲状腺機能異常は排卵障害や流産の原因になるため、甲状腺の機能を調べるためにTSHとT4を測定します。
子宮鏡検査
子宮鏡検査とは
胃カメラのようなもので子宮を覗き、子宮の形状やポリープや筋腫の有無を確認し子宮内の状態を観察する検査で、ポリープ除去手術や不妊症の治療方針を決めるために行います。
検査結果について
検査結果に基づいて治療方針を決定いたします。必要に応じて連携施設を紹介させていただくこともあります。
- 費用
- 料金表(不妊治療)からご確認ください。
子宮鏡検査の方法
- 胃カメラのようなもので子宮を観察します。
- 検査は外来の診察時間内に行われ、5~15分程度で終了します。
- 局所麻酔や痛み止めは使用せず行います。
子宮鏡検査で観察される病態について
- 子宮内膜ポリープ
- 結膜下脂腫
- 卵管狭窄
- 卵管閉塞
子宮鏡検査のリスク
- ごく稀に子宮に傷をつけてしまうことがあります。
- 膣内の細菌がお腹の中に広がり炎症を起こす可能性があります。
検査後の生活について
- 膣内の細菌が子宮・卵管を通ってお腹の中に広がることもあるので2日間抗生物質を内服していただきます。
- 検査当日は念のため浴槽には浸からずにシャワーのみとしていただきます。
精子不動化抗体検査
精子不動化抗体検査とは
採血によって、女性側が精子の動きを鈍くする抗体を有しているかどうか確認する検査です。本検査は採血によって実施され、抗体価によって適切な治療を選択する必要があります。
精液検査
精液検査とは
精液量、精子濃度、運動率、精子の形態等を検査します。精液の性状は日によって変化するため、数回検査することが望ましいと考えられます。
精液検査の方法
精液は数日(2~4日)の禁欲期間(射精しない期間)の後に用手法(マスターベーション)で全量を採取します。当院ではSQA-V(ジャフコ)という自動計測機器を用いて検査を行います。
精子正常値と診断
- ★ 精子自動性指数は当院独自の測定項目。
- ※ 精子の形態評価は、厳密な検査方法を用いた場合。
- ※ WHOラボマニュアルより。
精子自動性指数
当院で精液検査に用いている自動計測機器であるSQA-Vでは精子自動性指数(Sperm Motility Index:SMI)が計測できます。SMIは運動精子濃度と運動速度を考慮して数値化した値のことで、体外受精での受精率との相関が報告されており、当院ではSMI値80以上を正常としています。SMI値が80未満の場合でも自然妊娠は可能ですが80以上の場合と比べて低くなる傾向があります。
治療方針の決定
- 精液所見が正常な場合はタイミング療法または人工授精による治療を行います。
- 精子数が少ない場合あるいは運動精子が少ない場合は、人工授精による治療を行います。
- 精子が確認できない場合は、無精子症と判断し精巣内精子回収法による治療を行います。
- ※ 他の検査結果や既往歴等によっては相談をさせていただいた上で治療方針を決定します。
治療方針の決定
ホルモン検査の結果に基づいた治療方針
LH、FSH、E2
卵胞発育不良や排卵障害の可能性があるため、内服による治療を行います。
PRL(高PRL血症)
プロラクチンは、妊娠中、授乳中に血中濃度が上昇します。妊娠中、授乳中以外の時期にPRLが過剰に分泌され、血液中の濃度が異常に上昇した疾患のことを言います。無月経、月経不順、黄体既往不全の可能性があります。内服による治療を行います。
AMH
卵巣の予備能力を推測することができます。AMH値が低い場合は、ステップアップのタイミングについて相談させていただくことがあります。「AMH値が低い=今後獲得できる卵子数が少ない可能性がある」ということを示唆しているので「AMH値が低い=妊娠できない」というわけではありません。AMH値はあくまでの今後獲得できる卵子の数を推測するために測定します。
P4
黄体機能不全の可能性があります。内服治療等により黄体機能を補う治療を行います。
TSH/T4
甲状腺機能亢進症、甲状腺機能低下症が疑われます。甲状腺機能亢進症の場合、排卵までの期間が短くなりやすくなります。甲状腺機能低下症の場合、卵胞が成長せず無排卵、または無月経になりやすくなります。それぞれ症状に合わせた治療を行いますが、並行して不妊治療を行うことも可能です。
子宮鏡検査の結果に基づいた治療方針
- 検査結果に異状がない場合は、の検査結果を考慮して治療方針を決定します。
- 着床・妊娠に大きな影響がない子宮筋腫や子宮ポリープが認められた場合は、他の検査結果を考慮して治療方針を決定します。
- 着床・妊娠に影響を与える子宮筋腫や子宮ポリープが認められた場合は、手術を行います。
- 軽度の子宮奇形が認められた場合は当院にて手術を行います。
- 重度の子宮奇形が認められた場合は連携施設へ紹介をさせていただきます。
- アッシャーマン症候群と診断された場合は手術を行います。
- 慢性子宮内膜炎が認められた場合は内服による治療を行います。
- 他の検査結果や既往歴等によっては、手術を行う前に高度生殖補助医療を行うこともあります。
卵管通水、卵管造影検査の結果に基づいた治療方針
- 検査結果に異状がない場合はタイミング療法を行います。
- 検査の結果、一方の卵管に異常(閉塞、狭窄等)が認められた場合はタイミング療法を行います。
- 両側に異常(閉塞、狭窄等)が認められた場合は、手術(子宮鏡下選択的卵管通水法等)または高度生殖医療による治療を行います。
- 他の検査結果や既往歴等によってはステップアップについて相談をさせていただいた上で治療方針を決定します。
- 他の検査結果や既往歴等によっては、手術を行う前に高度生殖補助医療を行うこともあります。
ヒューナーテストに基づいた治療方針
運動精子が確認できた場合
タイミング療法による治療を行います。
運動精子が少ない場合
人工授精による治療を行います。
精子が確認できない場合
精液検査を行い、精液検査の結果と既往等を考慮して一般不妊治療を行わずに高度生殖補助医療による治療を行う場合もあります。
- 他の検査結果や既往歴等によってはステップアップについて相談をさせていただいた上で治療方針を決定します。
精液検査の結果に基づいた治療方針
正常な場合
タイミング療法を行います。
軽度な異常の場合
人工授精による治療を行います。
重度な異常の場合
高度生殖補助医療(IVF/ICSI)による治療を行います。
- 他の検査結果や既往歴等によってはステップアップについて相談をさせていただいた上で治療方針を決定します。





























