和痛分娩・無痛分娩
について
和痛分娩・無痛分娩とは
出産は太古の昔から行われてきた自然の営みですが、自然分娩しかなかった時代には過酷な陣痛の痛みや不安によるストレスが分娩の進行を妨げ、悪影響を及ぼしていたことも少なくありません。それらのトラブルを防ぐ目的で安楽な分娩を追求するために研究されてきたのが無痛分娩です。一般的に無痛分娩に用いる麻酔には、腰部より専用のカテーテルをも用いて痛みを抑える硬膜外麻酔法(時に脊椎くも膜下麻酔法も併用)と、筋肉注射や吸入麻酔薬を用いて行うバランス麻酔法(和痛分娩)があります。
当院で用いている方法が後者のバランス麻酔法です。陣痛を和らげるという意味で「和痛分娩」と呼ばれています。現在は自然分娩や硬膜外麻酔法の分娩法を採用する施設が主となり、和痛分娩のメリットを継承する施設は少なくなっております。首都圏でも和痛分娩法が行える施設は数えるほどになりました。 当院では1964年(昭和39年)に開院以来、和痛分娩のメリットに着目し、これまで25,000件以上の分娩に携わって参りました(2021年8月現在)。
和痛分娩のメリット
和痛分娩を採用する事によって、自然分娩や硬膜外麻酔法の分娩誘発と比較して子宮の出口が柔らかくなるため、分娩第1期の時間の短縮、心身のストレスの軽減、痛みの軽減を図ることが可能です。また硬膜外麻酔法の副作用(低血圧に伴う胎盤循環不全、局所麻酔薬中毒)、促進剤の使用量の軽減をすることが可能です。
無痛分娩への対応
現在は無痛分娩ご希望の方にも対応しており、当院の和痛分娩をベースとして硬膜外麻酔法や脊椎くも膜下麻酔法を併用し、応じて対応しています。(無痛分娩は当院指定日となります。当院の和痛分娩をベースとして行いますので子宮の出口が通常法よりも柔らかくなり、硬膜外麻酔法の副作用、促進剤の副作用を軽減することが可能です)。
帝王切開について
当院では前述の方法を採用しているため、分娩が進行せず、子宮口が硬いと判断される状態(頸管熟化不全)での分娩停止に伴う帝王切開症例はほとんどありません。原則として他院での前回帝王切開の方、子宮筋腫核出術を受けられた方は妊娠経過中の管理と分娩進行中の厳重管理が必要と判断しますので、妊娠中期までには高次医療施設(北里大学病院、東海大学医学部付属病院、茅ヶ崎市立病院)をご紹介しております。当院で以前に手術や帝王切開を施行された方は分娩経過中のリスクが予見できるため、第2子までの帝王切開術は当院で対応できます。
当院でのお産(和痛分娩)
和痛分娩の特徴
当院ではスムーズなお産をしていただくために和痛分娩(バランス麻酔)を行っています。陣痛がきて、子宮の入り口が開き始めてから筋肉注射にて痛みの感じ方を鈍くし、心身をリラックスさせていきます。また、子宮の出口も柔らかくなりますので(子宮頸管熟化作用)、分娩中のつらい分娩第1期(子宮口開大~全開大10cmまで)の時間が通常の時間の半分程度になり、母体のエネルギー消費が少なく済みます。また、分娩第1期の時間が短縮されることでベビーの酸素不足、脳へのストレス(脳の低酸素状態)を防げます。
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Point 01
当院での平均分娩所要時間
- 初産:5~6時間
- 経産:2~3時間
- 有効な陣痛から胎盤娩出まで
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Point 02
産後の様子
体力エネルギー消耗は自然分娩の1/4ですので産後育児のスタートがとても楽です。 -
Point 03
注射の効果時間
注射のお薬は24h経過で全て体外へ排出されますので母乳への影響はありません。 -
Point 04
当院のサポート
心身共に母子が元気に帰る事を目標とし、妊娠経過中からきめ細かい管理を行い、出産による体力の消耗を防ぎ、分娩後には育児がスムーズに始められるようお手伝いさせていただきます。妊娠、出産、育児のトータルサポートを行い、ご本人、ベビーへのデメリットはほとんどありません。
参考資料
ご主人(パートナー)の立ち合い分娩ができます
院内設備
分娩室
新しい設備にて管理されています。
ベビールーム面会室
母子同室は20:00まで。夜間ベビーはベビールームにてお預かりしています。
新生児無呼吸モニター
ベビーのコットに取り付け、無呼吸の警報音はナースの携帯子機とも連動。素早い対応にて管理を行っています。
新生児聴力検査
退院の朝までに聴力検査を行います。難聴を早期発見し、しっかりと療育を行えば、正常に言葉を習得できる可能性が高まります。
入院について
入院生活と入院期間
- 初産:5泊6日(分娩当日を含む)
- 経産:4泊5日(分娩当日を含む)
- 産後1日目
- おっぱい、おむつの換え方、抱き方の練習。
- 2日目〜退院
- 朝8時~夜8時まで母子同室(育児の具体的な方法に慣れていただきます)当院では夜間はお母さまのストレスを軽減するため、出産直後からの母子同室は推奨しておりません。夜間調乳の方法は退院までに徐々に慣らしていきます(※ご希望の場合には夜間母子同室も可能です)
お部屋の設備
個室(トイレ洗面付)と個室(トイレ洗面なし)があります。
面会について
- 面会時間
- 15:00~19:00(終日)
ベビーの面会時間はこれより多少短めです。安静目的および診療処置の都合上、面会時間以外のご面会はご遠慮ください。また、小さいお子さま連れの長時間のご面会や風邪をひかれた方のご面会はできませんのでご了承ください。
産後ケア入院
退院後でも産後ケア入院をお受けいたします。ベビーの扱いをもう少し練習したい、産後をゆっくりすごしたい、退院後の手伝いがいない等のご希望がある場合、(お部屋に空きがあれば)入院期間の延長も可能です。入院中にお申し出ください。
- 延長料金:33,000円(※公費負担がない場合)
- 寒川町の方は公費負担があります。公費利用に関しましては寒川町役場へご確認ください。
計画出産について
- 当院の入院は原則、陣痛が始まってからとなります(24時間対応)
- 37週0日~41週6日までは正期産(正常のお産期間)とされていますが、予定日を超えての分娩は胎盤機能の低下、過熟児、羊水混濁が起こるリスクが上昇します。
- 母子ともに負担が少ないと判断される場合、予定日前後に医学的適応にて計画出産(出産日を決めて分娩に臨む方法)に切り替える場合があります。
可能な範囲でのご希望による計画出産も行っておりますので、医師にお尋ねください。
- 事前に同意書を提出していただいております。(医学的適応や医療スタッフの状況が優先となりますので、ご了承ください)
入院費用
正常分娩の場合
ご費用は正常分娩の場合、和痛分娩料・個室料が含まれます。また、入院中の経過により料金は多少異なります(医学的処置が必要な場合は別途保険負担分が加算になります)。「出産育児一時金の直接支払制度」をご利用の場合は、費用の一部負担を軽減できます。
妊婦健診
定期健診について
定期健診は妊娠経過が順調かどうかを確かめるとともに、自分でもわからないような異常を知るために行います。また流早産、妊娠高血圧症、妊娠糖尿病などの予防や早期発見のためにも必要です。
診察回数
- 初診~妊娠30週まで:3週間に1回
- 妊娠30~36週まで:2週間に1回
- 妊娠36週以降:1週間に1回
- 妊娠37週以降に院内でコロナ抗原検査を実施します。
妊娠中に行う検査
毎回の定期健診
- 体重測定
- 血圧測定
- 尿検査(蛋白・糖)※必要な方に限ります。
その他の検査
- 梅毒血清反応
- 貧血検査
- 血液型(ABO型・Rh型)
- B型肝炎
- C型肝炎
- 風疹
- HIV(エイズ)
- 子宮がん検診
- 腟培養
当院の帝王切開術について
高次医療施設をご紹介するケース
帝王切開術は経腟分娩が困難な場合(軟産道強靭、胎児回旋異常に伴う分娩停止、骨盤位、児頭骨盤不均衡、前置胎盤など)や母体適応(妊娠高血圧症候群など)によって選択される手術方式です(※前置胎盤症例は出血のリスクの観点から高次医療施設を紹介しています)
これは和痛分娩方法の頸管熟化によるメリットと、骨盤位症例の介入(胎児外回転術:年間30件以上で95%は改善しています)、開院50年以上のデータと経験によるものと考えております。
また、極力不必要な帝王切開を行わないよう心掛けています。麻酔方法は脊椎くも膜下麻酔で行うため、区域麻酔となります。赤ちゃんをご出産直後に、面会していただき、その後に麻酔で入眠していただくこともできますので、お気軽にご相談ください。
※原則として、前置胎盤、他院での前回帝王切開の方、子宮筋腫核出術を受けられた方は妊娠経過中の管理と分娩進行中の厳重管理が予見できるため、妊娠中期までには高次医療施設(北里大学病院、東海大学医学部付属病院、茅ヶ崎市立病院)をご紹介しております。
当院で以前に手術や帝王切開を施行された方は分娩経過中のリスクが予見できるため、第2子までの帝王切開術は当院で対応いたします。第3子以降の帝王切開術は腹腔内所見の状況によりご説明いたします。
分娩・帝王切開をお引き受けできる基準
当院で分娩・帝王切開対象の方
- 単胎
- 低置胎盤(※経腟分娩可)
- 当院での前回帝王切開の方
- 胎児推定体重が2200g以上
- 無痛分娩(同意書要)
- 母体のRh型が陰性(経腟分娩のみ)
- 里帰り分娩
- 当院の分娩方式に賛同いただける方
当院で分娩をお受けできない方
- 子宮頚部円錐切除術後
- 双胎、品胎妊娠
- 前置胎盤
- 癒着胎盤
- 子宮奇形
- 36週0日未満の早産や前期破水
- 胎児奇形
- 心血管疾患の既往
- 妊娠糖尿病(中等症、重症)
- 妊娠高血圧症候群
- 胎児が2200g未満の低出生体重児
- 過去に他院で帝王切開を受けた方
- 母体身長147cm以下の方(※148〜153cmの方は骨盤の状況を確認して受け入れの可否を判断しています )
- TOLAC(帝王切開後経腟分娩試行)
- 産科危機的出血の既往
- その他中等度以上と判断される合併症
- 当院で対応困難な精神疾患の合併
- 過去の妊娠で上記経過に該当する方
- 母体BMIが初診の時点で27.0以上の方
- 妊娠経過中にBMI≧28.0となった方(※ 当院開院以来の2万件を超えるデータをもとに算出しています )
- 日本語での日常会話・意思疎通が困難な方
- 特定妊婦と自治体に判断された方(※ 妊娠に関して医療面だけでなく福祉的支援が必要とされるため、より充実した支援体制の整った高次医療施設をご紹介させていただきます。
人工妊娠中絶(保険適用外)
担当医より手術を希望される患者様へ
当院では患者様の子宮にとって最も侵襲が少ないとされている手動真空吸引法(MVA 法)をベースとして手術を行っています。手術後約 1-2 週間(都合により
1カ月まで可)に子宮が正常の状態まで戻ったか否かを判断する診察を行います。
中絶手術・流産手術を行った後に子宮内膜の癒着(アッシャーマン症候群)や子宮内膜の菲薄化を生じる症例も全国で報告されております。それらを早期発見、治療するために子宮鏡検査を行うことを当院では推奨致します。
2021年7月の日本産科婦人科学会の声明で、流産手術だけでなく、人工妊娠中絶術でも
MVA法の推奨が望ましいと報告されています。他院にて中絶手術・流産手術を行い、子宮鏡検査のみを希望される方も検査可能ですのでご相談ください。
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