男性不妊
造精機能不全
精子を作り出す機能自体の問題で精子数が少なくなっている状態です。造精機能障害には乏精子症や非閉塞性無精子症等があります。また、原因には先天性の場合と後天性の場合がありますが原因はわからない場合が多く、突発性の場合がほとんどです。
造精機能不全の原因について
- 精索静脈瘤
- 停留精巣
- 無精子症
主な治療方法
- 精索静脈瘤手術
- 精巣内精子回収法
性機能障害
精液所見に異常がないが、精子が配偶者の生殖器官に到達できない場合をいいます。
主な病態
- 性欲低下
- 性嫌悪症
- 勃起障害(ED)
- 射精障害
主な治療方法
- 内服薬の服用
- 食事療法や運動療法
副性器機能異常
精巣上体、前立腺、精嚢等の臓器が機能不全を起こしてしまっている状態です。濃精液症患者に疑われます。
- 治療方法
- 各々の病態に合わせた薬物療法。
造精機能不全の
原因について
精索静脈瘤
精索静脈瘤とは精巣から心臓につながる静脈内の血流が逆流してしまい、精巣の周りの静脈にコブができてしまう状態のことです。精巣内の温度が上昇してしまい精子形成不全を引き起こします。自覚症状があまりないため発見が遅れる場合があります。男性不妊患者の30%が精索静脈瘤と言われています。
症状
- 陰嚢や鼠径部の痛みや不快感。
- 長時間の立位や腹圧がかかったときに症状が強くなる。
- 陰嚢に塊のようなものを感じる。
治療方法
- 外科的な手術を行い、血液の逆流を防ぎます。
- 射出精液中に精子が確認できた場合は一般治療または高度生殖補助医療を行います。
停留精巣
停留精巣とは精巣が陰嚢内に下降しきっていない状態です。精巣内の温度が上昇してしまい、精子形成不全を引き起こします。症例によっては無精子症 になることもあります。
治療方法
- 外科的な手術またはホルモン療法がありますが、日本では外科的な手術が一般的です。
- 治療により射出精液中に精子が確認できれば一般不妊治療によって挙児を得ることも可能となりますが、手術を行っても精液所見が改善されない場合は高度生殖補助医療の適応となります。
無精子症
無精子症とは射出精液中に精子が確認できない状態をいいます。精巣内で精子は作られているが射出するまでの精路に異常がある無精子症を閉塞性無精子症、精巣内で精子が作られていない、または極めて少ない場合を非閉塞性無精子症と呼びます。
閉塞性無精子症の治療方法
- 閉塞部位を再吻合する精路再建手術(※)
- 精巣内精子回収法(※精子が獲得できた場合は顕微授精の適応となります)
- ※ 術後、射出精液中に精子が確認できれば一般不妊治療によって挙児を得ることも可能となりますが、手術を行っても精液所見が改善されない場合は高度生殖補助医療の適応となります。
非閉塞性無精子症の治療方法
- 精巣内精子回収法
- ※ 精子が獲得できた場合は顕微授精の適応となります。
- ※ 手術を行っても精子を確認できない場合もあります。
閉塞性無精子症
閉塞性無精子症とは
精巣内で精子は形成されていますが、射出されるまでの経路(精路)が閉塞あるいは狭窄しているために射出精液中に精子が確認できない状態を言います。
主な原因
- 精巣上体炎後の閉塞
- 鼠径ヘルニア手術の後遺症
- 先天性精管欠損
- パイプカット
治療方法
閉塞部位を再吻合する精路再建手術
精巣内で精子は形成されていますが、射出されるまでの経路(精路)が閉塞あるいは狭窄しているために射出精液中に精子が確認できない状態を言います。
精巣内精子回収法
精巣内精子回収法により精子が獲得できた場合は顕微授精の適応となります。
非閉塞性無精子症
非閉塞性無精子症とは
射出されるまでの経路(精路)に異常がないにもかかわらず、射出精液中に精子が確認できない状態を言います
主な原因
- クラインフェルター症候群
- 性染色体異常
治療方法
- 精巣内精子回収法
- ※ 精子が獲得できた場合は顕微授精の適応となります。
- ※ 手術を行っても精子を確認できない場合もあります。
クラインフェルター症候群
男性はXとYの染色体を1本ずつ持っていますが、X染色体を過剰に持っている状態です。この症候群の男性は、精巣が発達せず男性ホルモンの分泌も少ないため、多くの場合は無精子症となります。
性染色体構造異常
男性が持つY染色体には造精機能に関与する部分(AZF領域)が存在しますが、この部分が一部または全部が欠損しているために精子が作られず無精子症となります。
超音波検査
超音波検査とは
卵胞の発育状態、子宮内膜の状態、子宮筋腫の有無を調べる検査です。
超音波検査の種類
- 経腹超音波検査(お腹の上から超音波をあてて検査します)
- 経腟超音波検査(プローベという器具を膣に挿入して超音波をあてて検査します)
減数分裂
減数分裂とは
1つの細胞が2回の分裂を経て4つの細胞に分裂し、細胞にある染色体の本数は元の細胞の半分になる分裂のことで、配偶子である精子や卵子に特徴的な分裂様式となります。ヒトは染色体を46本有しているので、減数分裂後の配偶子(精子、卵子)は23本の染色体を有することになります。
減数分裂をする意味
父の遺伝子を持つ精子と母の遺伝子を持つ卵子は融合(受精)という過程を経て一つになり、次世代(子)が誕生します。もし配偶子である卵子と精子が親と同じ染色体の46本を有していると卵子と精子が融合してできた受精卵(子)は染色体の本数が96本になって異常となります。親と子の染色体を同じにするために配偶子である卵子と精子は染色体の本数を半分の23本にする必要があります。
精子機能評価検査
精子機能評価検査とは
精子の質を評価する検査で精子クロマチン構造検査と抗酸化力検査があります。これらの検査は世界保健機構(WHO)ラボマニュアル第6版において精液検査の項目として新たに追加された検査になります。
精子機能評価検査の目的
一般的な精液検査で評価される精子濃度や精子運動性評価ではわからない精子そのものの質を評価し今後の治療方針の決定に利用します。また、必要に応じて男性に投薬治療等を行います。
精子機能評価検査の対象となる方
- 精液所見が良好にも関わらず一般不妊治療で妊娠に至らない方
- 精液所見が不良の方
- 医師に検査が必要と判断された方
- 費用
- 料金表(不妊治療)からご確認ください。





























